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秘密結社ボードレールが世に現れてから2年の月日が経った。
ヒーロー協会は既に数人のヒーローが本部防衛の為に所属するだけとなり、日本各地の支社も全て壊滅。
当然ボードレールによる護送車襲撃、刑務所襲撃などにも対応は出来ず、ヒーローとは名ばかりの組織と成り果てていた。
一方日本最大の悪の組織ボードレール。
その活動はあらとあらゆる犯罪者の殺害。
それは「DEATH NOTE」のキラを彷彿とさせ、世の犯罪者を震え上がらせた。
どんなに警備を固めてもボードレールの怪人は圧倒的な力で自衛隊も警察も捩じ伏せ、犯罪者を殺害。
これにより日本の犯罪数は目に見えて激減した。
やがてテレビでは「秘密結社ボードレールは悪なのか?」などの特集が組まれるようになり、世間ではボードレールこそが本当の意味での正義なのではないかとの声が増え始めた。
『必要悪』
殺害という乱暴な手段は間違っても正義などではない。
しかし、その対象が法も守れない犯罪者ということで、これに大きな声で異論を唱える者はいなかった。
事実、犯罪者にとっては恐怖政治そのものだが、真面目に生きる一般市民にはなんの不自由もなく、犯罪も起きない素晴らしい世の中になったのだ。
それは正に「必要な悪」であり、ヒーローの存在意義は益々薄くなっていった。
こうして世間がボードレールの存在を容認し始め、逆に非難され始めたヒーロー協会は相変わらず沈黙を守っている。
戦えるだけのヒーローがいないのだ。
そんな中、ヒーロー協会の扉を叩く青年が1人。
この青年がこの物語の主人公であり、ここから悪と正義の物語が始まる。
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