正義のヒーロー

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かつて猛神はテレビやマンガのヒーローに憧れている普通の子供だった。 大抵は思春期に入る頃には正義のヒーローはフィクションだと理解し、そしてそんな職業はないことも知る。 猛神はそれでも正義のヒーローになりたかった。 そして選んだ道は警察官だった。 法律こそが今の世の中の正義であり、その法の番人こそ正義のヒーローそのものだと疑わなかった。 猛神は優秀な警察官だった。 勉強し、鍛練し、高みを目指した。 そして努力は実を結び、実力を認められた猛神は特殊部隊に就いた。 猛神は幼き日々に求めた正義のヒーローとは違うとは思いながらも、自らの職務に誇りを持ち、充実した日々を過ごしていた。 そして6.11事件が起こった。 猛神の部隊も前線に駆り出される。 猛神は興奮していた。 不謹慎ながらも、夢にまで見た「悪」が目の前に現れた…今こそ本当の「正義のヒーロー」になる時だと理解した。 そして猛神達の警視庁特殊部隊は敵幹部の捕獲に成功し、そこで手に入れたアバドンブラックの実戦投入にあたり、被験者に立候補したのが猛神だった。 アバドンブラックを装着した猛神は敵無しだった。 これを皮切りに特殊スーツの研究開発に拍車が掛かり、そして敵勢力の殲滅。 猛神は夢にまで見た「正義のヒーロー」になることができた。
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