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ズズン
下の階から重い音が響く。
恐らく兄貴が猛神にとどめをさしたんだろう。
「…終わったか。」
「さて、二階堂ダイチ。これから仕上げに取り掛かるわけだが…その前に知りたい事があるだろう?猛神に言われた事が、我々の言っている事と矛盾している…と。」
ダイチはハッとした顔で黒武者を見た。
「我々は君に信用して貰う為に話を作った…裏組織ハルノートや、真実を知った仲間がヒーロー協会に消される話なんかは実にドラマチックだったとは思わないか?」
ダイチは一瞬で全身に脂汗が出るのを感じた。
嫌な予感しかしなかった。
「ん?随分と顔色が悪いな…あぁ、安心して聞け。流石にもう嘘は言わぬ。貴様にはもう時間がないからな。冥土の土産と言うヤツだ。」
ダイチの頭の中はぐるぐると回っていた。
(…最悪だ。これは一番考えたくない結末だった…あの言い方だと黒武者は味方なんかじゃなかった。そして恐らく…俺は…人じゃなくなる…?)
「そうだな…私の殉職の話辺りから説明してやろう。なに気にするな。これは我々の為に尽力してくれた貴様に対するせめてもの礼だ。貴様には真実を知る権利がある。」
黒武者が話を始めた。
全ての真実の話を。
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