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「はっきり言おう。私は人間ではない。かつて侵略に失敗した異界の住人だ。」
「戦争をなんとか生き残り、同胞の復讐の機会を虎視眈々と狙っていた。我々の持てる技術の粋を集めたオリジナルアバドンシリーズ…ブラックはヒーロー協会に奪われたものの、レッドとホワイトは我々の手中にあった。アバドンブラックさえ使われなければ勝機は我々にあった。いや、使われても大丈夫な程に用意周到に準備を進めていたのだ。」
「しかし愚かにも奴等はアバドンブラックを出し惜しみし、たった4人で決闘に臨んだ。こちらは生き残りとはいえ、オリジナルのアバドンレッドとアバドンホワイトを含む精鋭部隊。4人の人間は皆殺しにしてやったよ。」
「え?」
二階堂ダイチが驚いた声を上げる。
「何を驚いてる?私は十文字ハヤトではない。十文字ハヤトの遺伝子を捕食し、知識と技術と記憶を…そう。十文字ハヤトに成り代わったのだよ。加賀美も同じく我々の同胞だ。力で世を征服するのは難しいことがわかったからな。」
「この段階から全ては計画通りだ。今の『この段階』まで想定済みなのだ。だからこそ『怪我で引退したかつてのヒーロー』として組織のCEOを用意した。」
「…え?どーゆー…頭がついていかない…」
二階堂ダイチは酷く混乱した
簡単には理解出来ない話だった
なにが?いつから?
「簡単な話だ。力による征服は失敗した。ならば人間に成り代わり人間として存在すればよい。」
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