第1章

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初志貫徹なんて言葉がよく知られていながらも、全くもってそれを達成することは容易なことではない。 初めに想った志には次から次に障害という壁が立ちはだかり、その壁の一つや二つを貫いて進んだところで、いつかは必ず前に進めなくなる。 結局のところ、志なんてものは曲げてしまうのが一番楽なんだと思う。曲げて、歪めて、元の形なんか微塵も残さないほどにぐちゃぐちゃにしてしまえば、大抵のことはやり過ごせるのだろう。 別にそれが間違ったことではないということも解っている。物事に柔軟に、臨機応変に対応することも正しい選択の一つだ。 ただ、ほんの少しだけ、少しだけ、確かなトゲにこれから先、苛まれ続けるだけ。気にしなければ無かったことにもできてしまえるようなほんの小さな痛みに。 想いを歪めるべきかを悩むのは、歪めなければ先へ進めないと解っているから。 想いを歪めるべきかを悩むのは、歪めて進んだ歪んだ未来なんかに満足なんてできないと解っているから。 それでも、進める選択肢が一つしかないならそれを選ぶしかない。結局、結論なんか解ってたんだ、《諦めろ》そういうことなんだろ? 本当にそうなのか? 進む選択肢が一つでも選択肢は一つじゃない。前に進みたくないなら迷わずに戻ればいいんだ。 戻って今来た道を眺めて、広い視野で考えればいい。 どこかに別の道がないか、前に進む方法が本当にそれだけなのか、今立ってる道ですら、そもそも正しい道だという確証もない。 そんなこと考えてたらキリがないって?当たり前だ。道は沢山あるんだ、億?兆?バカ言うな、選んだぶんだけ増えていくんだ、道の数は無限にある。道がないように見えるところにも道は必ずある。ただそれが道であるということにきづいてないだけだ。 それでも、どうしても好きな道がなくて前に進めないなら、自分で道を作ればいいだけのことだろ。 自分の心を歪ませるな。自分で無理だと諦めるな。悩んで立ち止まる時間があるなら、突っ走る為の助走をとれ。遠くまで、目指すゴールまでが見通せるくらいに助走がとれたなら、後は一本道を貫いていくだけだろ?壁に見えてるそれは、もう、壁じゃない。 初志貫徹なんて言葉がよく知られていながらも、全くもってそれを達成することは容易なことではない。 だが、《不可能ではない》
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