第1章「脇役夕月悠榎が勇者召喚に巻き込まれた事例に対する考察」

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要はこういうことらしい。 稲葉に呼び出され行くと、「付き合ってくれないかな? 好きなんだ……」と言われ、 買い物が好きだから、週末付き合ってって言われたと勘違いして受け取る。 週末はお嬢様とデートの予定だから、「ごめん。◯◯(お嬢様の名前。もう忘れた)に付き合うんだ」って言う。 「そっか……それじゃ私帰るね……」って稲葉は走っていった。 絶対泣いてるよ。これ。 「一緒に帰りたかったんだけど、先に走って帰っちゃったんだよね。なんでだろ? “そんな事”より、一緒に帰ろ?」 …………。 「わ、私。用事思い出したから君は一人で帰りなよ」 結果はわかってたけど、こりゃヤバいかも。 っとその前に。 「えー。一緒に帰ろうよー。って悠榎!?」 「お前マジでいい加減にしろよ」 え? 何してるかって? ヤダなぁ。奴の胸倉を掴んでるだけですよ? 「私が巻き込まれて、傷つくのはまぁいい。お前の恋愛にも口出ししない。関係ないからな。稲葉の事もそれが人生。青春だ。ただその稲葉の精一杯の勇気振り絞った、努力を"そんな事"だと? テメェ今度と言う今度は……ッ!?」 突如青白い光に包まれる。 奴を離し、周りを見回す。 青白い光は円形を描き、幾何学模様や見たことの無い文字を浮かび上がらせる。 ……マジでこういう事までやってのけちゃうのか。コイツって。
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