第1章「脇役夕月悠榎が勇者召喚に巻き込まれた事例に対する考察」

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これって言わずもがな魔法陣だよなぁ。 つまりコイツはまことに遺憾ながら勇者って事だよね。 陳腐な小説とかによると。 ……待てよ? ラノベとかで脇役が巻き込まれるのとかもあるよね。 つまりこのままいくと私までヤバい!? 逃げよう。これ以上巻き込まれたくない。 「ちょっと、何コレ!?」 今命名したけど、勇者(笑)も驚いてる。 ってか私冷静過ぎる気がする。 「長谷倉。君は異世界に勇者として、召喚されようとしているみたいだ。向こうでも頑張るんだよ。じゃ私はこれで」 と出来るだけ張り付けた笑いを浮かべ、踵を返す。 「ちょっと待って!! 何それわかんない!? 悠榎待って!!(ガシッ)」 「離せ俗物!! 私は関係ない!! お前が異世界に呼ばれたんだよ!!」 脚を掴まれ、必死に蹴落とすが奴は離さない。 ってこれ状況、危機的にヤバくない!? 「……悠榎は僕の親友だから、勿論一緒に来てくれるよね!! 悠榎!! 異世界でも一緒だよ!!」 「死に晒せぇぇぇぇぇっ!!!」 奴の改心のドヤ顔と共に、魔法陣は強く光はじめ、私の意識はロールアウトしていった。
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