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ただ一つ有り得ない光景が混じっているんだよね。
向こうの部屋にいる人達は皆、スーツを着ていて普通なんだけど、
ただ、ただね?
背中に羽根が生えてるんだよ。
異様とも言えるし、彼の神様だと言う言動からすると本当の様な気もしないでは無い。
まぁ普通に考えたら奴の異世界への勇者召喚に巻き込まれたんだから、
神様と会うってのもアリか。
ただ展開としてはテンプレ過ぎだけどね。
そう勝手に結論づけ、神様? に促され、ソファーに腰掛ける。
「それで、奴は此処に来て無いってどういう事ですか?」
勇者なのに神に会えないってどういう事よ?
あれか? 勇者(笑)だからか?
「それはだね。お、来た来た。三人共入りなさい」
ガラスの方を向くとドアから三人の女性が入ってくる。
三人は私の前に並び、真ん中の女性がこう切り出す。
「はじめまして。夕月悠榎さん。私、天照大御神と申します」
彼女は頭を下げ、そう自己紹介する。
彼女の見た目は、所謂巫女装束に近いような純和風な服装。
身長は165cm程度で絹よりもサラサラな淀みの無い綺麗な黒髪のロングであり、
瞳も黒色で如何にも日本人風な出で立ちながら顔は端正に整っている。
首からは勾玉で出来たネックレスをし、彼女が本物なら日本神話の本等に出てくるイラストの通りって感じ。
「ギリシャ神話の次は日本神話ですか」
むしろ神話は好きだからこういうのは大歓迎だけどね。
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