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「ちょっとお話があるのだけど? いいかしら?」
ニコッと笑ってはいるけど、
オーラが怖い。それはもう人間には死にそうなくらい。
「あら? 彼が例の人の子? なかなかどうしていい感じの子じゃない? 顔は童顔だけど、魂がいいわね。こういう子私好きよ?」
わーなんか気にいられたー。
「でもこの子このままいったら普通に結婚できたのに。なんで死んじゃたのかしら」
は?
いやいやいや。
死んだのは何と無く察しがついてたよ。
いやゴメンやっぱり堪える。
「私はやっぱり死んだ?」
「……死んだ……」
……冥界神のヘルが言うんだからホントか……。
「あの、ちょっと一人にしてくれないかな? 何と無くわかってたけどやっぱり無理」
ヘルの言葉を頭が理解してくると、むせ返る様な吐き気と、地面が突如無くなって何も無い暗い暗い奈落の底へと吸い込まれる様な感覚に襲われる。
「あぁ……。そこの奥にある私の書斎を使うといいよ」
ゼウスさんが絵画の横にあるドアを、指さす。
自分が大変なのに。
「ありがとう。2、3日大丈夫?」
「ええ。大丈夫ですよ」
天照大御神の言葉に振り返らず、真っ暗な部屋に入る。
暗い暗い溟々なる深海の様な部屋へと。
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