第7章「聖エルベの聖女」

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「でだ。奴はシャノンに惚れたのか?」 ココ一番重要。 「えぇ。私の見立てじゃ確実よぉ」 マジかよ。 『なぁ三笠。コレはなんの冗談だ? 魔王の娘に勇者が惚れるって』 『んーラノベにはない展開だよねー』 『あれか? 事実は小説より奇なりってヤツか?』 「なんか面倒な事になったな」 シャノンにヤツが付き纏うのは宜しく無いな。 もし魔国王女ってバレたら即刻切り捨てられるとか困るし。 「でも好きな子を魔王の娘とわかったからって断罪出来るかしら? どうもそこまでの根性はない様に思えるわぁ」 ハイデマリーの目は信用して間違い無いだろう。 「確かに。お姉さんの言う通りかも」 「あらぁ? こちらは?」 「Aクラスの三笠蒼葉です。よろしくね。ハイデマリーさん」 「あらあら。よろしく蒼葉ちゃん」 ニコッと微笑んで握手する、両者。 「まぁ話を戻すが、ヤツには覚悟は無いのは確かだろうな。どうせ勇者に選ばれて持て囃されて、皇女様にも惚れられてやりたい放題やった結果だろう。我が儘に拍車がかかってるみたいだしな」 だってマルクとシャノンに絡んでる理論が無茶苦茶だもん。 「そもそも今日の授業模擬戦、あったっけ?」 「無かっただろうな。どうせ皇女様が権力を振るって、無理矢理やってカヤさんがキレる位の所だろうな」 他の教員が権力に屈して終わりだろうね。 さてさてどうなる事やら……。
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