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「上流貴族って言うと、プライド高くて、クソみたいなテンプレな家じゃないよね?」
「いいえ。確認しましたがそのような家系ではありません。魔王家の信任厚く、忠誠心も厚い。職業軍人の家系ですが、領民にも魔国一の領主様と名高く有名です」
なんか凄く良さそう。裏さえなけりゃ。
「裏はないわよ? 天使のラジエルに素性を調べさせたから」
アテナがそう言う。長らく空気だったね。
「シバくわよ」
おっと。
「んじゃそこでいいよ。形見のコインとメモ帖とペンは8歳になった時受け取るね」
「困った時は何時でも念話してください。私達を思い浮かべて話かけると通じます」
「お、そうだ忘れてた。魔力強すぎると目立つから封印かけてくれない? 五重くらいで自分で状況に応じて解除出来る様なやつ」
「わかりました」
「ホント迷惑かけるよ。命、救ってくれたばっかりか、色々要求までしちゃって」
ホント何から何まで迷惑かけっぱなしで。
「最後に一つ。勿論“悪意なき魔国”を“自称正義の帝国”から守るのは?」
「フフフ。大丈夫ですよ」
一瞬面をくらった天照が私の真意を理解し、意地悪く、笑う。
「では、またいずれ」
「またね。精々私を楽しませてね」
「……バイ……」
三人の言葉に気恥ずかしそうに微笑みながら手を挙げると、段々意識が薄れていった。
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