間章「姫殿下の憂鬱」

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「そう言えばリーデルシュタインさんは料理は作らないのですか?」 「私? あー私は食べるの専門かな? いや出来ない事は無いんだけれど、作るの面倒だしね」 「まぁハイデマリーだしねー。でも舌は肥えてるよね」 姫様が悠長な表情でキッチンに肘をつきます。 「国で一番舌が肥えてるであろうお前が言うか」 「まぁ一国の王女様だものねー。シャノンちゃんて」 「正確には姫様は皇太女ですねー」 ソファーでゴロゴロする三笠さんの言葉にレティさんが返事をします。 まぁ次期魔王の姫様が国で一番舌が肥えていると言うのは元来普通の事でしょう。 それに先代魔王様は美食家でかなりの健啖家だったと聞きますし。 細身で白髪に白髭の老紳士が晩餐室のテーブル一杯の料理を平気な顔でペロリと平らげていたとか。 まぁお兄様情報ですが。 そう言えばお兄様は、何故姫様の護衛をフランではなく私にしたのでしょうか? フランの方が実力も防御力も上だと思いますか? うーん謎ですね? 「アリスー。クッキー焼けたから食べるわよー」 そうロングハートさんから声が掛かります。 「あ、はーい。今行きます」 そう考えながら私は皆さんが待つテーブルへと向かったのでした。
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