間章「鍍金のヒーロー」

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泉の奥へ進んで行くと、また光に包まれる。 気がつくと、真っ白な空間にでる。 ここはどこ? 「勇者よ。何故力を欲っす?」 目の前に光を纏った女の人が現れる。 「異界からの勇者よ。何故力を欲っす?」 そんなの決まってる。 「僕は皆を護る力が欲しい!! 悪い奴らを倒す為の!!」 「ッ……!? そ、そう。ゴホン。ならば貴方に力を授けよう」 女の人は顔を真っ赤にして、少しぼうっとした後、慌てて僕に手をかざす。 熱があるのかな? 女の人の手から光が出ると体の中を生温い何かが駆け巡る。 「これで、貴方は力を手に入れた」 「そういえば君名前は?」 名前聞いて無かった。 「私はミットランドの世界神。マリーンよ」 「マリーンか。よろしくマリーン」 「この手はなに?」 「握手だよ。僕達友達だからね」 「よ、よろしく?」 「よろしくね!!」 マリーンは恥ずかしそうに、握手に応じてくれた。 「あ、あの。貴方にお願いがあるの」 「なに?」 「私を下界に連れてって欲しいの。貴方は私に凄いものを見せてくれそうな気がする。私は、私は今まで一人ぼっちだったから……。そんな私に友達って言ってくれたから」 マリーンの話を聞いていると、 彼女はそう切り出し、少し泣きそうとも言える寂しそうな表情をする。 「ダメだよ。そんな顔しちゃ。僕がいるから」 マリーンを抱きしめる。 「寂しかったんだよね。泣いていいんだよ」 「う、うわぁぁん」
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