6448人が本棚に入れています
本棚に追加
/404ページ
--- --- --- ---
-リーゼシア連邦王国フランドル州州都ラウスブルク-
「若。こんなところにおられましたか」
一人の壮年の軍人が木陰を覗き込む。
「ヘルト大尉。いやぁ、いい木陰を見つけちゃって」
「クリスティーネ閣下に叱られますよ」
「勉強。勉強ねぇ。勉強も大事だけど銃を撃ったりしてる方がいいかな」
元々勉強は嫌いじゃないけど、得意って訳じゃない。
まぁ今じゃ知識の能力があるから勉強をサボってもどうにかなる。
まぁ頭は使わなきゃダメになるから、勉強は大切だけどね。
「これは古代魔術の魔導書ですか? 古代言語を解読した術者は我が魔国でも十数人程度ですよ? 若は勉強が嫌いなのか好きなのかわかりませんな」
「これ古代文字の本だけど内容は恋愛小説だよ。勿論古代の恋愛小説だけど」
肩をくすめ呆れる、私付きの武官であるヘルト大尉に、
私は小説をヒラヒラとさせる。
私がこの世界に来て10年がたった。
まぁ人格が戻ってからは2年だけどね。
後7年弱で魔国を勇者と帝国を圧倒出来る様にしなきゃね。
勿論こちらから戦争はしかけない。
ただ攻め込まれないだけにする。
最初のコメントを投稿しよう!