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そして、すぐに折り返しの電話は掛かってきた。
美桜「ふざけたこと言ったら、すぐにまた切るわよ?」
大輝「分かった、分かった!
ていうか、ふざけてなんてないんだけどなぁ」
美桜「だったら、はっきり言いなさいよ!
何で付きまとうのよ!?」
しばらくの沈黙
美桜は、電話を切ろうと、携帯から耳を離しかけた時だった
大輝「…好きなんだ」
それは、あまりにも突然で
何故か、拗ねたような言い方だった。
美桜「…何言ってんの?」
大輝「何を言われても、仕方ないけど、俺は諦めないよ」
美桜「分かった。
お気持ちは嬉しいけど、お断りさせて頂きます」
大輝「何で?」
美桜「何で?
それは、こっちが聞きたいわよ!
私のこと、何にも知らないクセに、好きだなんて言われても、信じられるわけないでしょ!?」
大輝「何にも知らなくない。
名前は水島美桜。
シングルマザーで、菜津ちゃんと葉瑠くんていう7歳と4歳の可愛い子がいる。
菜津ちゃんは、一言で言えば、繊細な子。
葉瑠くんは、絵に描いたような、やんちゃ坊主」
美桜「ストーカー…?」
大輝「違うよ」
美桜「どこが違うって言うの…」
私の情報だけでなく、子供のことまで…
毎朝の付きまといと言い…
美桜「警察に言うわよ?」
大輝「分かった。白状するよ」
美桜「何なの…?」
大輝「俺、菜津ちゃんと、葉瑠くんの通ってた保育園に実習に行ってたことがあったんだけど、覚えてない?」
美桜は、思いを巡らすが、思い出せない。
大輝「やっと、実習が終わって、プライベートで会えるようになったのに」
美桜「だ、だからって…」
大輝「俺のことなんか、記憶にもなさそうだけど、俺は毎日見てたよ?
おねーさんと、菜津ちゃんと葉瑠くんを」
美桜「そんなことって…」
信じられない…。
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