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朝の太陽に、反射して、よく見えなかったけど、サラサラした栗色の髪の毛が印象的だった。
何故、声を掛けられたか分からず、美桜は立ち止まる。
男は、塀の上に立ったまま、にっこりと微笑んだ。
「番号、教えて?」
美桜「………はい?」
男は、ぴょんと塀から飛び降りると、再び言った。
「おねーさん、番号教えてよ♪」
美桜「何の…?」
「あははっ!おねーさん、面白いねっ!
番号っつったら…」
美桜「暗証番号なんて、教えません」
「暗証番号?何の?」
美桜「え?」
「番号っつったら、決まってんじゃん!
電話番号だよ~!携帯の♪」
美桜「……」
子持ち、バツイチとも知らないで、ナンパか。
笑える。
大体、保育園の近くでナンパなんかする?
美桜は、男を無視して歩き出した。
「え、え?ちょっと、シカト!?
それはないんじゃない!?」
それはないんじゃない?どころじゃない。
こっちは、バスの時間が迫ってる。
足早にバス停に向かうと、男は付いて来た。
バス停が見えたと同時に、バスも見えた。
「ヤバっ!おねーさん!走らないと、バス!」
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