出会い

4/6
前へ
/32ページ
次へ
朝の太陽に、反射して、よく見えなかったけど、サラサラした栗色の髪の毛が印象的だった。 何故、声を掛けられたか分からず、美桜は立ち止まる。 男は、塀の上に立ったまま、にっこりと微笑んだ。 「番号、教えて?」 美桜「………はい?」 男は、ぴょんと塀から飛び降りると、再び言った。 「おねーさん、番号教えてよ♪」 美桜「何の…?」 「あははっ!おねーさん、面白いねっ! 番号っつったら…」 美桜「暗証番号なんて、教えません」 「暗証番号?何の?」 美桜「え?」 「番号っつったら、決まってんじゃん! 電話番号だよ~!携帯の♪」 美桜「……」 子持ち、バツイチとも知らないで、ナンパか。 笑える。 大体、保育園の近くでナンパなんかする? 美桜は、男を無視して歩き出した。 「え、え?ちょっと、シカト!? それはないんじゃない!?」 それはないんじゃない?どころじゃない。 こっちは、バスの時間が迫ってる。 足早にバス停に向かうと、男は付いて来た。 バス停が見えたと同時に、バスも見えた。 「ヤバっ!おねーさん!走らないと、バス!」 .
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加