出会い

6/6
前へ
/32ページ
次へ
そして、今日も17時になった瞬間に、机を片付けて、会社を急いで出る。 18時を過ぎると、保育園の延長料金が発生してしまうのだ。 最初は、残業を余儀なくされている同僚たちの目が気になった。 面白く思われていないのは、明らかだったから。 でも、自分たちの生活を何とか回していかないと…。 周りと距離が出来ても 人付き合いが悪いと思われても 菜津と葉瑠を、ちゃんと食べさせて ちゃんと、お風呂に入れて ちゃんと、寝かす。 こんな、何でもないことに、私は毎日、必死なの。 いつもと同じ時間に、保育園近くのバス停に着く。 今日も何とか間に合った! 安堵の溜め息をつきながら、バスから降りる。 大輝「おかえり♪」 美桜「!?」 大輝「今日も、お疲れさま♪」 バス停で待っていた大輝を信じられない思いで見つめる。 大輝「あ、びっくりしてる~?」 妙にテンションが高い大輝を前に、美桜は我に返る。 美桜「迎えに行かなきゃ」 大輝「えぇ~!?開口一番、それ!?」 美桜は、大輝を無視して歩く。 大輝「ちょっと待ってよ~!」 付いて来る大輝の前で、美桜は止まる。 大輝「わっ!あぶね!」 美桜「どういうつもりか知らないけど、付いて来ないで! これから、子供を迎えに行くのよ?」 大輝「え~?迷惑~?」 美桜「スゴく」 大輝「ちぇ」 菜津と葉瑠を連れて、保育園を出た時、大輝の姿はなくて、少しホッとした。 .
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加