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そして、今日も17時になった瞬間に、机を片付けて、会社を急いで出る。
18時を過ぎると、保育園の延長料金が発生してしまうのだ。
最初は、残業を余儀なくされている同僚たちの目が気になった。
面白く思われていないのは、明らかだったから。
でも、自分たちの生活を何とか回していかないと…。
周りと距離が出来ても
人付き合いが悪いと思われても
菜津と葉瑠を、ちゃんと食べさせて
ちゃんと、お風呂に入れて
ちゃんと、寝かす。
こんな、何でもないことに、私は毎日、必死なの。
いつもと同じ時間に、保育園近くのバス停に着く。
今日も何とか間に合った!
安堵の溜め息をつきながら、バスから降りる。
大輝「おかえり♪」
美桜「!?」
大輝「今日も、お疲れさま♪」
バス停で待っていた大輝を信じられない思いで見つめる。
大輝「あ、びっくりしてる~?」
妙にテンションが高い大輝を前に、美桜は我に返る。
美桜「迎えに行かなきゃ」
大輝「えぇ~!?開口一番、それ!?」
美桜は、大輝を無視して歩く。
大輝「ちょっと待ってよ~!」
付いて来る大輝の前で、美桜は止まる。
大輝「わっ!あぶね!」
美桜「どういうつもりか知らないけど、付いて来ないで!
これから、子供を迎えに行くのよ?」
大輝「え~?迷惑~?」
美桜「スゴく」
大輝「ちぇ」
菜津と葉瑠を連れて、保育園を出た時、大輝の姿はなくて、少しホッとした。
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