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≪side 青山≫
「下着をおろして、両手をデスクに付けろ」
静かな夜のオフィス。
「え・・・」
困惑した彼女の顔が、月光に照らされる。
茶色いプラスチックフレームの眼鏡。
彼女のレンズには、俺の銀縁の眼鏡が反射していた。
「聴こえなかったのか?背中を俺に向けて、言われた通りにやるんだ」
怯える彼女を、可哀想だと思いつつ。
『わたしにも研修、お願いできますか』
彼女のこの一言で、スイッチの入った自分を止められないでいた。
『青山課長の、時間外研修』
そんな下らない噂を、彼女が信じていたとは。
『課長ぉ。わたしにも夜の研修して下さぁい』
そう言いながら腕を絡ませ、強調するように胸を押しつけてくる女子社員達。
何故そんな噂が広まったのか。
『君がそんなに仕事熱心だとは思わなかった。今夜いいか』
そう言うと、何を期待してか嬉々とやってくる。
『ああん、もう無理ぃ』
『まだだ。君が誘ったんだろう』
山の様な書類を、PCに打ち込ませてあしらう。
噂を鵜呑みにする彼女たちには、侮蔑の視線と辛らつな言葉を。
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