1 青山課長の夜の研修 

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≪side 湖々海≫ 入社してから夏も過ぎ。 秋に差し掛かろうかという頃になって、居残りで研修を頼むなんてさすがに恥ずかしく思い。 『青山さん・・・ちょっと良いですか?』 たまたま彼が一人で歩いているところを捕まえて、頼んだのだ。 『時間外の研修』を。 わたしの願いに驚きを見せた後。 彼の表情が見る見る間に冷たくなったのに、気付いた。 さすがに今頃になって研修を頼むだなんて、呆れられたのか。 それとも責任感の強い青山課長は、自分の教育を責めているのかも。 そんな風に反省しながら、提示された時間にオフィスに戻ったわたしに言い放たれたのは、 「下着をおろして、両手をデスクに付けろ」 予想外の冷たい言葉だった。 「聴こえなかったのか?背中を俺に向けて、言われたとおりにやるんだ」 銀のフレームから覗く瞳は、月光に照らされて冷たく光り。 抑揚のない声色が、彼のセリフが決して好意からのものではない事を告げる。 『女子だけの研修』の意味が分かって。 「---っ」 くちびるを強く噛みしめ。 大きく右手を振りかぶった。
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