1 青山課長の夜の研修 

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≪side 青山≫ 茶色い縁の眼鏡の奥の、濡れた瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。 「深夜のオフィスで俺に抱かれるって・・・噂だ」 思わず彼女に口付けながら、それでも確かめずにはいられなかった。 誰が流した分からない、その噂。 若くして出世した俺を妬んだ奴か、はたまた俺に振られた女の恨みか。 鵜呑みにした女子社員が、身体を使って俺を籠絡しようとするのも一度や二度ではない。 とっさに口付けたものの。あまりの柔らかさに驚いて。 もう少し味わおうと、首を傾ける---タイミングで。 「何ですか、その噂は?」 彼女が勢いよく顔を上げる。 真っ直ぐなその瞳は、駆け引きも絡み手も何も無い。 眼鏡のその奥に、キョトンとした彼女がいた。 「入力のミスを防ぎたくて、研修受けたかったんですが」 真剣に力説する彼女に今度は何故か、イラッときて。 「あっ。何するんですか」 彼女の眼鏡の真ん中をつまんで、顔から取り上げる。 何するかって? 「だってキスするのに、邪魔だろう?」 「青山さ---」 可愛い口を塞いで、怯えて奥に逃げる舌を追いかける。
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