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「――それでは皆様、我が主の趣向をお楽しみ下さい」
そう仮面の男がゲームの開始を告げたときだった。
仮面の男の目に、真っ直ぐ右手を挙げ、ぴょんぴょん跳び跳ねるセリアンの姿が映った。
「ウサコ様、ですね? どうなされました?」
「はい、ウサコです! あなたの正体を突き止めて、脱出ルートを教えて貰っても良いの?」
ウサコの質問に、仮面の男の目がすっと細められる。
ウサコの隣では、仮面の男とは対照的に金色の瞳を大きく見開き、ウサコを見つめるセリアンの姿があった。
「そうですね……良いでしょう。では、私を見つけることが出来ましたら、脱出ルートをお教えしましょう」
暫しの沈黙の後、仮面の男が寄せた回答に、ウサコが両手を叩いて喜ぶ。
そして、仮面の男は、自らの居場所を解く手掛かりを口にした。
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