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次の瞬間、隠し部屋の壁のレンガが鈍い音を立てながら変形し、その奥に岩壁が剥き出しになった通路が現れた。
「はい、出口は、この地下道を真っ直ぐ抜けた先にあります。暗いですが、一本道ですし、途中何も出ませんからご安心下さい」
ぽかんとする3人を愉しそうに見つめ、仮面の男が隠し通路を指差す。
「ねぇ、仮面の男さん!」
「はい、何でしょう、ウサコ様?」
早速出口に向かっていた3人だが、唐突にウサコくるりと後ろを振り向き、仮面の男に話し掛ける。
「仮面、取ってみせて欲しいな!」
ウサコのお願いに、暫し逡巡した後、仮面の男は長い指を仮面に伸ばす。
そして、ゆっくりと仮面を外した。
「女王陛下の執事を務めております、ランティス・ペルソナと申します。この度は、我が主の趣向を楽しんで頂き、ありがとうございます」
驚愕の真実に優雅な一礼を添えた白皙の美青年のランティスに、ウサコはきゃーきゃーと嬉しさと驚きで飛び跳ねる。
「謎解き、そして、脱出おめでとうございます」
ランティスの言葉に、ウサコと劉虎とシルヴィアがにっこりと微笑み合う。
そして、今度こそ、ランティスに手を振り、城を脱出したのだった。
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