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「アッと、ゴメン」
胸元の携帯が鳴る。
「ハイ、アッと、すいません、ちょっと待ってください……」
携帯を持って席を立つ。
「ワリィ、ちょっと出るわ。」
携帯片手に合図する。
いつもの手だ。合コンに出るだけ出て、連れに適当に携帯を鳴らして貰う。如何にも急用の連絡かのように振る舞う。時計を見る。
マァ、こんなもんか。店に戻りいつもの台詞を言う。
「ワリィ、オヤジの呼び出し、俺、チョイ抜けする。用事が終わったらまた合流するから、後で連絡するわ。」
全くそんな気はない。だが、こう言うと女達は期待して残ってるらしい、マァ、俺には関係無いから構わない。だが、そんな女達を落とすのは大変だろうな。せめて俺が抜ける事で頑張ってくれと応援するだけだ。
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