1章 いつもの火曜日(Side光)

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「ありがと、雅人」 「なに?」 「わかっててくれて」 「ああ、そういうこと」 「俺のこと、こんなにわかってくれるのはお前だけだ」 「だろうね」 「理解されてるって、うれしいな」 「だよね、でもそれは、お互いさまだよ」 頭に置いた手のひらが、そのまま下に下りてゆく。頬を包まれたら、全身に温もりが広がった。 羽の止まるような口づけ。それは柔らかで優しくて、雅人の存在そのものみたいだ。 幸せに浸りながら、何度か唇をあわせた。 「……テレビ見よ?」 少しだけ眉を寄せた雅人が、鼻先で囁いた。 そうだったな。これ以上進むと、いつもの火曜日じゃなくなる。 番組が終わって……、シャワー浴びてから、だな。
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