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「ありがと、雅人」
「なに?」
「わかっててくれて」
「ああ、そういうこと」
「俺のこと、こんなにわかってくれるのはお前だけだ」
「だろうね」
「理解されてるって、うれしいな」
「だよね、でもそれは、お互いさまだよ」
頭に置いた手のひらが、そのまま下に下りてゆく。頬を包まれたら、全身に温もりが広がった。
羽の止まるような口づけ。それは柔らかで優しくて、雅人の存在そのものみたいだ。
幸せに浸りながら、何度か唇をあわせた。
「……テレビ見よ?」
少しだけ眉を寄せた雅人が、鼻先で囁いた。
そうだったな。これ以上進むと、いつもの火曜日じゃなくなる。
番組が終わって……、シャワー浴びてから、だな。
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