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礼二との約束は、たいてい日曜日。
今度の計画はどんな感じだろうと、電話越しの弾んだ空気に耳を澄ませる。
「久しぶりに車で出かけよう。うまいコロッケを食わせる店を見つけたんだ」
いつだって強引に、予定を提示してくる礼二。
一度だって、俺に「どこか行きたいところはあるか」「なにかしたいことはあるか」なんて、聞いてくれたことはない。
ただ、いつだって。
うどん屋めぐりのために、片道5時間かけて車を走らせたときだって。
昼間から生ビールを飲みながら、大声出して野球観戦したときだって。
ふらりと立ち寄った公衆浴場で、のぼせてしまって帰りが遅くなってしまったときだって。
楽しくて、楽しくて。
俺の生活に、華やかな色をくれる。それが、礼二だった。
礼二と過ごす日曜日は、俺の活力を全部持っていかれそうになるくらい、いつも刺激的で新しい発見に満ち溢れていた。
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