[第1章]遠くへ

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その告白以来、悟との友情関係は続いていたけれど 前と同じかというと少し違ったかもしれない。 私は悟がゲイであることを受け入れるのに必死で、 自分が悟に友達以上の気持ちを胸に閉じ込めていたのだと思い知らされた。 急に遠ざけては 悟は私が彼に差別や偏見を持ったのではないかと心配してしまうけれど、 かといって今までのように朝も昼も一緒にはいることはできなかった。 ゲイのお友達は他にもいるし、 生まれつきの特徴なのだから尊重したいけれど 他の誰でもない悟がゲイであることがショックだった。 あの精悍で優しくて自慢のボーイフレンドだった悟が 男とキスしたり、一緒に寝たりするだなんて…。 私のことは女の子としてではなく ただの同性の友だちとして見ているのかな? これまで皆が私たちをカップルみたいだと噂しても嫌がらなかったのは カモフラージュになるからだったの? 勘違や期待していた自分がバカみたいで 誰よりも身近で誰よりもな異性が自分とはカップルになれないんだ…。
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