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  誰もいないロビーにある、公衆電話。誰かの趣味なのか、赤い色のボックスではなくて、漆黒の色をベースに配色されたボックスの中に、鮮血のような真っ赤な電話と、黒と金を艶やかに配色された箱が一つ入っていた。その箱の中には、きちんと紐で縛られた電話帳が入っている。 受話器を取って、先に『一』『八』『四』を押してから何処かに電話をする。数分後、建物の前に流れるように現れたのは配送車。梱包された箱を全て渡す。訝しげな表情をした配送担当者だったが、頷いて梱包された箱を受け取った。 その後、男性は建物の中に入っていく。未だ用事があるのだろう。が、表情は無表情で目だけは笑っていたのだが。   翌朝。連絡網で建物の関係者にメールが送られてきた。 『本日より一週間は休館になりました。メンテナンスが入りましたので。来週会いましょう。館長』 但し、一部を除いては。 『おはようございます。本日もお疲れ様です。建物前の駐車場は、使用禁止は継続中です。通常の駐車場ではなく、地下の駐車場を使用してください。入り口は、自動ドアが故障しています。エレベーターも、序でにメンテナンスが入りました。地下の入り口の階段を使用してください。本日も、頑張りましょう。 館長』
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