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  廊下の角の窓辺に寄り掛かって、外を眺めていた男性に駆け寄り、同じように外を眺める男性。 「バイト先、紹介して貰ったのに。役に立てなくて、ごめんなさい。」 暗い表情を浮かべて、自嘲する男性。 「雫(しずく)、此方こそ。彼奴等はさ、作業に行き詰まってるんだ。気にしなくて良い。もし! … もしも、危害を加えられたり危険と判断したら、逃げたって良いんだ。僕は、話しか聞く事しか出来ない。ごめん。僕の方こそ、君の役に立てなくて。情けないよ、僕は。閑(しずか)と雫を守ると誓ったのに。」 雫と呼ばれた男性は、弱々しく微笑む。 「ボク達兄妹を引き取り育ててくれただけでなく、バイト先も紹介して貰ったのに。本土から離れていたから、パソコンとか機械が苦手で。別の場所でバイトしてる閑も、大変みたいで。でも、頑張ります。生きていかなくてはいけないから。もう、あの島は出入り禁止になって封鎖されてしまいましたから。帰る場所は、閉ざされた。島が突然封鎖される事になって。閑と二人だけで島を離れて、お兄さんのお父さんで警察官のおじさんが引き取り育ててくれた。感謝してます。」 雫は、淋しそうに儚く微笑む。 「ご両親は、見つからない?父さんや母さんは、警察官なのに。捜そうともしないなんて。おかしい。」 男性は、窓を軽く小突く。 「 … 島にいるのでしょう。今も島は出入り禁止。何があったか判らないけれど、島の人達は、ボクと妹だけを本土に。捜査するのは、警視庁なんでしょう?此所は、科学捜査研究所でもない。大学内の研究所、でしょ?」 雫は、男性を安心させるように微笑んだ。
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