その咲きの向こうへ

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 カーブでハンドルを切るものが居なければ曲がりきれなくてそこに次々と団子状態で追突していくだろうし、直線であれば、エンジンブレーキがかかり、上手く行けばオートマチック車のクリープ現象だけの軽い追突で済んでる場所だってあるはずだ。  速度にもよるのだろうという推測の元、高速道路は壊滅的状態かもしれないが、一般道は言うほど酷くないのかも知れない。  ここから逃げ出す場合には信号待ちしているバイクを狙うのが良い。  出来ればオフロード型のバイクが良い。  オフロードバイクであれば細い道を行き来できるし、軽い障害物程度なら乗り越え素早くその場を去れるはずだ。  そのバイクは、先頭で信号待ちをしていれば後続で玉突き事故が起っていても無事なはず。  そんな都合よくオフロードバイクが信号待ちしていて無傷なまま転がってる確立はどれくらいだ?クソ、今考えても仕方ない。  待て、不味い、下手をすれば電柱や変電所に暴走した車が突っ込んだら、いや、地下鉄ではない線路にも車は暴走していく、それが電車と接触すればどれ程の規模の事故になるか想像すると怖くなる。  違う、一番恐ろしいのは原子力発電所に飛行機が突っ込む事だ。  原子力発電所の炉自体は飛行機の突入程度では影響は無いかもしれないけど、その周りの電源供給や冷却システムに繋がる何かが破壊された時に、それを制御する人間がいない事が問題だ。  そう、全て制御する事が出来ないんだ。  今まで人間が統治、統括してきたこの世界はその支配者である人間が居なくなってあらゆる物の制御が効かなくなっている状態なのだ。
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