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俺が心の中で叫んでいると、遠くのほうから物音がした。
その後に、カツン、カツンという足音が狭い牢獄の中に響き渡る。
徐々に近づくにつれて大きくなる音につれて、俺は不安を募らせていく。
これからいったいどうなるんだろう・・・
そして音の主は、俺の牢屋の前で、その歩みを止める。
どんな人なんだろうかと、俺は鉄格子の隙間から、その容貌を伺う。
そこに立っていたのは右手に槍を持ち、明らかに日本のものではない鎧を身に着けた、冴えない中年ぐらいの男だった。
よく見ると、男の腰には鍵と思われるものが沢山ぶら下がっている。
多分、この人は門番か衛兵なんだろう。
男は空いている左手で、腰につけている鍵の束をつかむと、その中からひとつを選び取り、それを俺の牢屋の鍵穴に差し込み、そして回した。
ガチャン
静かな牢屋に音が鳴り響き、鍵が開いたことを知らせる。
男は扉を開くなり、俺にこう言った。
「出ろ」
そう言われるなり、俺はすぐさまその命令に従うことにする。
だって右手に持っている槍が怖いんだものwwww
刺されたら死んじゃうよwwww
そして俺が牢屋から出ると、男は何も言わずに、歩き出した。
俺もそれについていく。
薄暗い通路の中、俺は転ばないよう、慎重に足を運んでいった。
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