時をかける野球選手

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しばらくすると、俺は人が何十人も入れそうな大広間に案内された。 よく見てみると、部屋の真正面。その中央にいかにもお偉い人が座りそうな玉座が用意されている。 つまりここが、皇帝との謁見の場所なんだろう。よくわからない俺でもそう察せられる程の威厳がそこにあった。 「ここでおとなしくしていろ」 男は俺に槍を向けながら、そういってその場から下がっていく。 よくよく考えてみたら、何で丸腰の俺をこんなにも警戒しているんだろうか。 警戒しているにも、手枷や縄で縛られておらず、極めて自由な状態である。 俺からしたら、何がしたいのかがわからない。 まぁ、俺今野球のユニフォーム着ているわけでして、周りからしたら、異質でしかないんだろうね、きっと。 それでも服装ってだけで警戒されるとは思えないんだけれどもなぁ・・・ そんなことを考えているうちに、部屋には俺の他に、いかにも文官スタイルといわんばかりの人が集まってくる。 きっとあれだ。無双なんかで出てきたら、羽扇とか使ってビームとか撃ってる感じがする。うん。 ちなみに俺は、ビリヤードっぽい武器が大好きな人です、はい。 余計なことばかり考えていたら、今の状況よりも、今度発売する無双のことばかり気になってきた。 そういえば、まだ予約していなかったっけ。帰ったら予約しないと・・・・・・って、とてもじゃないけど、帰れる状況でもなかったね・・・。 とりあえず、俺は周りを見回して、どんな人がいるかを確かめる。肖像画とかが残っている人がいれば、この時代がどんな時代なのかもわかるはずなんだけれども、生憎、俺がわかりそうな人物などいようはずもなかった。 そして文官達は俺を見て、観察し、仲間内でわいわいと話しを盛り上げている。 すみませんが、視姦される趣味はないので、あまり見つめないでください。 そう言いたいが、現代ジョークがまともに通じるとも思えないので、黙っておくことにした。
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