56人が本棚に入れています
本棚に追加
何度もお互いの熱を交換した時
虎太郎は小夜のことを気遣い、ただ自分の快楽を優先させるだけではなかった
ちゃんと自分を愛し、求めてくれた
それが何よりじゃないか
そう思うことで、小夜の心のダメージは少し軽減される
「寒くないかい?」
明るい部屋の中で、お互い生まれたままの姿を晒していることに気付き、虎太郎は小夜の肩に服を掛け、瞼にキスを落とした
「虎太郎さんが居て下さるから、寒さなんて感じませんわ」
「小夜…」
落ち着いていた気持ちが昂ってくる
小夜の体が大丈夫か心配になりつつも、溢れる気持ちを抑えきることが出来ず、また何度も小夜を求め続けた
※※※
情熱的なクリスマスの一夜はあっという間に終わりを告げ、年始の慌ただしさにお互い会えない日々が続いた
落ち着けばまた虎太郎に会える
そう思いつつも、冬の寒さのせいか体調の優れない日が多い
授業中も何度か貧血を起こし、倒れることもしばしば
そんな中、悲劇は起こった
最初のコメントを投稿しよう!