第五章 煙草と汗のにおいが微かにした

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二学期が始まった。 あの、お見合い騒ぎのせいで、弊害が出てる。 「七尾。 旦那が呼んでたぞ」 「だから、旦那じゃない」 クラスの男子の言葉を否定しつつ、席を立つ。 ……あの件は。 結婚説については月原先生の言葉で誤魔化された。 けど、「七尾さんのもの」とかいったもんだから、何故か夫婦扱いされてる。 ……いや、もとからそういうところはあった。 家が隣で、生活の半分を一緒に過ごしてて。 みんなたまに冗談で、そういうこといってた。 ……けど。 今度は度が過ぎる。 「月原先生、なにがご用ですか?」 「あ、ごめんねー、七尾さん。 このプリント配って、放課後までに集めてきてくれる?」 「わかりました」 渡されたのは。 生徒会からのお知らせ。
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