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ーーーその男は、深紅のマントを翻し、どこまでも続く青空へと拳を突き上げた……。
俺は正義の名のもとに悪を成敗する男だ。
俺の体の半分は正義で出来ている。
幾多の困難を強靭な肉体で乗り越え、数え切れぬ程の命を救ってきた。
人々は、尊敬と羨望と畏怖を込め、俺の事をこう呼ぶ……
『ベアー・ボーイと!』
『素敵よ、ベアー・ボーイ。見て、悪党共も、貴方の無尽蔵に溢れ出して垂れ流し状態の"ベアー・オーラ"に気圧されて、口上の間ピクリとも動かなかったわ。さあ、さっさと仕留めましょう』
『おう。援護は頼むぜ、オルカ・ガール』
『任せてちょうだい』
彼女はオルカ・ガール。
ベアー・ボーイにとっても、俺というひとりの人間にとっても、何より大切なパートナーだ。
彼女は体の半分が慈愛で出来ている。
命を尊び、平和を愛し、海より深い慈しみの心で、沢山の心に傷を負った人々を救ってきた。
『ベアー・ボーイ!そっちに行ったわ!』
『よし、決めるぞ!』
戦闘でも、日々の生活でも、彼女のサポートがなければ、俺などとうの昔に力尽きていただろう。
『素敵だったわ。ベアー・ボーイ。あなたはこの惑星で一番のヒーローよ』
『ありがとう、オルカ・ガール。さ、家に帰ろう』
彼女こそ、俺にとってのヒーローだ。
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