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あの日から半年過ぎた。
あのあと、コスチュームを着けた彼女にこれでもかというくらい罵られた。そのあと、コスチュームを脱いだ彼女にこれでもかというくらい謝られた。
それで、結局、どこまでも気が合う二人はやっぱり世界一のコンビだなってことで落ち着いた。
幹部になってからの生活は以前より快適だ。
惑星の人々からは非難轟々、どこに行っても史上最悪の逆賊だと言われるが、それももう慣れた。
暴力に頼らない統治を俺たちは推進している。最近は僅かではあるが理解者も現れてきている。
ま、とは言え悪の組織だから、破壊や殺戮も繰り返しているがな。永遠にわかり合えない存在さ。
最近俺はある夢を抱いている。
いつか、いつの日か、本当のヒーロー・コンビが現れて、俺らを退治してくれる……そんな夢だ。
『ベアー・キング、仕事の時間よ』
『ああ、わかったよオルカ・クイーン』
俺は漆黒のマントを羽織ると、血で塗られたかのような、赤黒く重厚な扉に手をかけた。
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