第1章 ジェンガ

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とりあえず、 今日の任務を終え、 帰宅部のわたしはそそくさと家に帰る。 先に帰っていた弟は テレビゲームをしていた。 指だけ物凄いスピードで動いている。 弟とはここ、2年くらい まともな話をしていない。 話す話題がない。 お互い、存在しないかのように ふるまっている。 このことは、お父さんもお母さんも知らない。 子供だけの世界。 テーブルの上に「おやつ」と書かれた メモが置いてある。 白地にレース模様。 いかにもお母さんが好きそうなやつ。 メモの横には 昨日の夜なぜか張り切って作っていたマフィン。 バナナ入り。 私がバナナを嫌いってこと知っててそうするのか、 なぜかケーキやらヨーグルトやらにやつらを投入してくる。 単に、知らないだけかも。 そっちの方が何か納得できる。 「おやつ」はゲーマーの弟に任せて、 わたしは自分の部屋に行く。
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