サイン

5/12

677人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
オープニングイベントから解放された一行は、案内された部屋へと入ります。 このホテルは、島での優雅なバカンスを売りにしているだけあり、海岸を目の前にした二階建ての低層造りで、海側に面した半分がスイートルーム仕様。 スイートルームには広いリビングダイニングがあり、欧風システムキッチンも完備している為、長期滞在型のバカンスにも対応できます。 家族用のスイートルームにはベットルームが二つあり、最大六人までが泊まれるようになっていました。 壁型大型テレビやバーカウンターの設備もあり、久留間家一行も大満足です。 裕輔は、さっそくアルコール類のチェックを始めています。 「おっ、スコッチの種類が多くて楽しみだな」 「まあ、貴方ったら。 飲みに来た訳じゃないのよ。 まみちゃんの夏休み思い出旅行なんですからね、それを忘れないで頂戴。 そんなことより……私はちょっと、フロントに戻ってみるわ。 千佳子さんのことを聞いてみなくちゃ」 「分かった。 僕は雅美姫を連れて海岸で遊んでいるよ」 裕輔と沙英子の話を聞いて、雅美は自分の荷物から水着を出しています。 「私はこのバルコニーで海を眺めているわ。 海風がとても気持ち良さそう」 硝子ドアを開けた真理子は、バルコニーに出て椅子に腰掛けました。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

677人が本棚に入れています
本棚に追加