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「叔父様、ウミガメに会えますか？ 」
「あの写真に写っていたような？
どうだろうね。
なかなか遭遇確立は高くないだろうから、運が良ければかな」
「運……良いと思います。
きっと！ 」
シュノーケルとフィンの使い方を教わりながら、雅美は透明度の高い珊瑚の海の冒険を始めました。
一方、部屋に残った真理子は外に置かれたティーテーブルにお気に入りの本を置くと、海風を感じながら椅子に腰掛けています。
真理子は海鳥が砂の上に細い足でちょこちょこと足跡を付けている様子を眺めていると、目を細めてつい微笑んでしまいました。
「本当に素敵な島だこと。
皆、それぞれに島の休暇を楽しんでいるようね。
沙英子もたまには良い企画をするものだわ」
空は高く海は青い、穏やかな笑顔が似合う素敵な島。
けれど久留間家の一行は、まだ誰も気が付いていません。
恐ろしい悪夢を運ぶ嵐は直ぐそこまでやって来ていたのです。
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