677人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
「それじゃあ、以前から神楽さんに脅迫状が届いていたのか?
どうして警察に届けなかったんだ? 」
シュノーケリングを一時間ほど楽しんで部屋に戻って来た裕輔は、沙英子の話を聞いて難しそうな顔で腕組みをしています。
「どうしてって、それはこの島のオープン前にマイナスイメージになることは避けたかったからじゃない? 」
「だからって、それで怪我人が出てしまってるんだ。
そんなことは言ってられないだろう」
「勿論、今は警察が捜査を始めているわ。
犯人も直ぐに捕まるはずよ」
沙英子は先程までカフェで神楽から話を聞いていました。
リゾートホテルを造ることが夢だった神楽幸蔵は、この島の開発コンペディションで島の開発権を勝ち取ると、夢を具象化する為に莫大な融資を取り付けて今日のオープニングまで漕ぎ着けたのです。
最初のコメントを投稿しよう!