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雅美にもやっと小松の早とちりだと合点がいきました。
「それで、犯人はまだ脅迫を続けているんですか?
リゾートホテルは開業しちゃったのに? 」
「どうなんだろうね。
このまま何もないといいんだが…… 」
裕輔は呟くようにそう言うと、暗い海を見つめています。
雅美も波音だけが繰り返す真っ暗な海に目を向けました。
「夜の海って、こんなに波音が大きいのですか?
なんだか騒がしいくらいですね」
「いや。
どうやら嵐が近付いてきているのだろう。
この分じゃ、明日は泳げないかも知れないな」
嵐が近付いている……雅美は裕輔の言葉に何か別の不安を感じていました。
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