珍客

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「どうだった? 夜行性動物には会えたのかしら? 」 夜の九時五十分。 夜行性動物観察ツアーに参加していた雅美と裕輔が部屋に戻ると、真理子が二人の顔を交互に見て尋ねました。 「それがね、真理子さん。 凄かったの! 」 雅美は興奮気味に真理子の側へと駆け寄り、裕輔はその様子を微笑ましく見ています。 「沙英子は、まだマッサージから戻りませんか? 」 「戻ってますよ。 アロママッサージの後は、パックの時間だとかでそちらの部屋に入ってるわよ」 裕輔が沙英子のいる部屋に行くと、雅美は話したかった夜行性動物ツアーの話を真理子に始めました。 「真理子さんも来れば良かったのに! コウモリのいる洞窟を見に行ったんです。 そうしたら、もの凄い数のコウモリがいて、真っ暗な洞窟の中に、真っ黒な塊りがキーキー、うじゃうじゃ! 」 雅美は両手を肩の辺りでパタパタと振ってコウモリが飛ぶ真似をして見せます。 「まあ、嫌だわ。 私は行かなくて正解だったわ」 そんな楽しい会話をしていると、急にドアベルが鳴りました。 「まあ……こんな時間に? 誰かしらね 」
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