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「か、金橋さん?
さっきから聞こえてるグエエとか、グアアとか、その、あの声は大丈夫なの?
獰猛な野獣がこっちを威嚇してる、とかさあ。
洒落にならないし…… 」
金橋は小松の戯言をスルーすると、ぴたりと歩きを止めました。
「刑事さん、あれです」
金橋の先には道の両端に並んで敷かれた外灯のレールが森の奥へと続くだけで何もありません。
小松を始め、裕輔、雅美と道の先へと目を凝らしていました。
「あ……叔父様、あれ! 」
雅美が指差したのは、遊歩道脇に生えているシダ植物の間から覗いていたスニーカーを履いた足でした。
「私が遊歩道を歩いていて気が付きました。
声を掛けたのですが、全く動く気配がないので近付いてみたんです。
そして……亡くなっていることが分かりました…… 」
金橋はそう言うと小松の顔を見ています。
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