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「沙英子、危ないから君は座っていた方がいい」
夫の裕輔にまで注意されて、沙英子は益々剥れ顔になっていました。
「叔母様、この船では紅茶が充実しているんですよ。
叔母様にはアールグレイのストレートアイスティーを持って来ました」
雅美にアイスティーを差し出されて、沙英子のご機嫌も直ぐに良くなったようです。
「まあ、ありがとう。
まみちゃんは何にしたの? 」
「私はダージリンのアイスレモンティーです。
真理子さんには……パッションフルーツティーにしてみました」
雅美はもう片方に持っていたアイスティーを祖母の真理子に差し出します。
「あら、パッションフルーツの紅茶?
それは楽しみだわ」
真理子も笑顔でカップを受け取り、雅美の登場でいつの間にか和やかなムードに戻っています。
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