物語は始まった。

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「ねえ、瓜生クン・・・そろそろ開店よお。そのボールは・・・めっ!」   「へーい。」   マスターの言葉に、俺はさっきから右手で弄んでいた野球の硬球を掌の上で軽く転がすと、部屋の隅に放り投げた・・・。 頭を掻いて、大きなあくびをすると、またしてもマスターの声が聞こえた・・・。   「あんたねえ・・・ここは一応『メイド喫茶』YO!?少しはその服装に会った、お振る舞いは出来ないの~?」   マスターの言葉に、俺は・・・自分が着ている『薔薇○女』に出てくる『銀様』のコスチュームをマスターが忠実に再現した、ゴスロリ調のメイド服を見ながら答えた・・・。   「いや・・・すでに『メイド喫茶』というよりは『冥途喫茶』っすよ・・・ココは・・・。」   俺は、そこまで言うとマスターの顔を睨みつける様に見ると・・・続けて言った。 「第一・・・俺は正真正銘・・・誰が何と言っても男っすよ!いくら女顔だからとはいえ・・・身長180cm越えで、筋骨隆々・・・野太い声したのメイドがどこの世界にいるって言うんですか?『北斗の拳』の世界だったら、ケンシロウに『お前のようなメイドがいるか!』といって、即刻秘孔を突かれますよ・・・。」
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