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「くそー、恨みますよ白野先輩」
鍋が終われば酒、ってな感じで白野先輩が日本酒やらワインやら持ち出してきた。そんでわかったこと。
「た~かは~しくんっ!えへへ~」
「ちょ、先輩!歩けないです」
先輩、酒すげぇ弱い。俺が500明けないうちに撃沈した。白野先輩に「送ってやれ」とか言われて
「だから俺、この人に刺されたんだって……」
にやにやしてたけどなんも起きないですよ、酔っ払い相手に。
先輩の家はサークルの打ち上げ帰りとかによく寄らせてもらっているので、場所は分かる。
……あんな部屋があったのは知らなかったけど。
「先輩?家着きましたよー」
「んー?」
無邪気そうなこの先輩が俺を刺したなんてまだ信じられなかった、そんな俺の疑問なんてお構いなしに、先輩はさらにこっちに体重をかけてくる。
「せんぱーい……じゃあ、とりあえずベッドに運びますよ」
「うん、うん」
眠いのか落ちそうになりながらも、必死に頷いている先輩。
……うん、ちょっとかわいいかもしれない。
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