一週間前

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「あ、先輩!」 「こんにちは。また新しい彼女さん?」 「ちょ、またとか言わないでくださいよ」 佐藤先輩は同じサークルの先輩で、何かと俺のことを気にかけてくれる。俺にとっては、兄的な存在だった。 「ヒロくん……」 「いや、今はお前一人だから!もうあいつのことは忘れたし!」 「怪し~……先輩に乗り換えちゃおっかな?」 先輩ちょーイケメンだし、という言葉に若干焦る俺。 「高橋くん」 先輩にちょいちょいって手招きされて顔を寄せると 「あんなこと言う彼女さんが高橋くんの彼女なんて、嫌だな」 「え?」 バッと離れた先輩をホケ~と見つめると、じゃあねって言って離れていってしまった。 「なんの話してたの?」 「え、うーん……ジャラシー?」 なんかそんな口ぶりだった。ギャルゲーみたいな。 「えー何それ~」 「俺もそっちの気はないかな」 彼女はケラケラと笑いながら、またドーナツを頬張った。ハムスターみたいだ。 「なぁ、今日お前の家行っていい?」 「えぇ~」 照れながらも、いいよという彼女は本当に可愛かった。
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