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「あ、先輩!」
「こんにちは。また新しい彼女さん?」
「ちょ、またとか言わないでくださいよ」
佐藤先輩は同じサークルの先輩で、何かと俺のことを気にかけてくれる。俺にとっては、兄的な存在だった。
「ヒロくん……」
「いや、今はお前一人だから!もうあいつのことは忘れたし!」
「怪し~……先輩に乗り換えちゃおっかな?」
先輩ちょーイケメンだし、という言葉に若干焦る俺。
「高橋くん」
先輩にちょいちょいって手招きされて顔を寄せると
「あんなこと言う彼女さんが高橋くんの彼女なんて、嫌だな」
「え?」
バッと離れた先輩をホケ~と見つめると、じゃあねって言って離れていってしまった。
「なんの話してたの?」
「え、うーん……ジャラシー?」
なんかそんな口ぶりだった。ギャルゲーみたいな。
「えー何それ~」
「俺もそっちの気はないかな」
彼女はケラケラと笑いながら、またドーナツを頬張った。ハムスターみたいだ。
「なぁ、今日お前の家行っていい?」
「えぇ~」
照れながらも、いいよという彼女は本当に可愛かった。
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