高橋くんの逃走

2/9
前へ
/37ページ
次へ
「マジかよ、洒落になんねぇ……」 痛む手で顔を覆い 「え・・・っ!」 手錠。確かに手錠がかけられていたはずだったのに……さっき暴れたせいか普段の行いが良いからか、完全に外れていた。 これで逃げられる!よな。 自分でもなにか釈然としないものを感じつつ、部屋のドアを開ける。 大丈夫だ、遠いところに逃げて警察に通報すれば…… 「ん?」 これって、事情聴取の時に先輩にされたこととか言わなきゃいけないのか? だが俺には逃げるという選択肢意外、残されていない。幸運の女神に媚を売るとしよう。 「お邪魔しました、先輩」 聞こえるか聞こえないかの声で挨拶をして、俺は走った。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加