高橋くんの逃走

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「ちょっ、待っ」 「いいから、観念せぇ」 なにこの人!目つき変わりすぎだって。ホントに 「誰か来たって!」 包丁振り下ろされる直前の魚張りに暴れ 「チッ、こんな時間に誰だよ」 られませんでした。あっけなく裏返されてその辺にあったネクタイで腕を縛られ、そのまま玄関に引きずって行かれた。 嘘だろ…… 「はい~……ってお前か。おせーよ、タバコ買いに行くのに何分かかってんだ」 「し、白野さ、その後ろの・・・・・・」 「あぁ、拾った」 「拾った?!」 なんか会話してるけどそんなことよりネクタイ外してくれ。手錠のせいで痕になったところに食い込んで痛い。 気が付くと目の前にチャイムを押した人が立っていた。目線を上げると…… 「ヤ、ヤンキー……」 「見掛け倒しだけどな」 先輩がおいしそうにタバコを吸いながら言う。 なんだか学ラン着てそうなヤンキーだった。 「とりあえずネクタイ外すぞ……やっぱ痕になってる。ちょっと待ってろ、オ〇ナイン持ってくるから」 母さん、外見で人を判断しちゃいけないね。
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