高橋くんの逃走

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「……当たり前じゃないすか。友達が犯罪まがいなことしたって聞いたら誰だって混乱しますよ」 混乱なんて可愛い言葉で済まされるのか、今のは。 「まぁあれだ」 俺なんか目じゃないとでも言うように自分のポケットを漁ると、白野先輩は煙草を吸い始めた。「あ!それ今日3本目、」ってヤンキー君の声を手で制し、 「警察が嫌で満身創痍な高橋君に友達説かれるのも一興って感じだけどな。めんどいから手っ取り早く言うと、高橋君に残ってる選択肢はヤられるか殺られるかだ。お兄さん的には前者を選んでほしいな」 二人分の更生が一気に片付いて楽だしな、と謎の言葉とともに紫煙を吐き出す。先輩の言葉の意味を考えていると、サイドボードに置いてあった先輩の形態がブルブル震えた。 「う、わ……高橋くん、諦めて腹くくるんだな」 メールを開いて急に面白い顔になった先輩が画面をこちらに向けつつ 「あと五分で来るってよ」 ……って無理だろ!
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