プロローグ

6/8

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
 佐伯は小さな試験管を胸ポケットへと仕舞い込むと、立ち上がった。 「まぁ、さっきの女がゲートブレイカーで無い事はわかったが、記憶喪失とエイズの件が引っかかる。この唾液から何か分かるかも知れん。調べて貰ってくるわ」 「りょーかーい」と、男はまだ納得できない様子だ。 「ロキ」と、佐伯は男の名を呼んだ。 「あの女を一応マークしておいてくれ。それと、貧乳だぜ、あの女」と言い残し、部屋を後にした。  扉の締まる音の後、静寂に包まれる。  ロキはテーブルに上に置いた一粒の角砂糖に人差し指を突きつけた。  すると、角砂糖はみるみる内に女体へと変形した。  その角砂糖が艶かしくロキを誘惑する。 「貧乳でも構わねぇよ。美乳ならな」と言い、その角砂糖を口へと放り込んだ。  ☆     ☆
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加